2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

医療AIは世界と日本でどこまで来たか【2026年最新】|カルテ・画像診断・問診の最前線と限界

2026年、医療AIは「実証」から「実用」のフェーズへ本格的に移行しました。米国では生成AIが診察の会話を聞き取って自動でカルテを書く「アンビエントAI」が普及し、画像診断AIは累計1,400件超が当局に承認されています[5]。日本でも、内視鏡AI、AIによるカ…

寝ながら暴れるのは病気?パーキンソンの前触れかも

夜中に大声で叫ぶ、隣で寝ている人を殴る・蹴る、ベッドから飛び出す――それはレム睡眠行動障害(RBD)かもしれません。見ている夢をそのまま体が行動に移してしまう睡眠の病気で、特に中高年の男性に多く、後年のパーキンソン病やレビー小体型認知症の前兆(…

認知症と間違えやすい高齢者のてんかん

高齢のご家族が、会話の途中で急にぼーっとして反応が止まり、口をもぐもぐ動かし、後でその間のことを覚えていない――そんな様子を「認知症が始まったのかな」と感じていませんか。実はそれは、認知症ではなく「てんかん」の発作かもしれません。てんかんは…

免疫グロブリン投与支援ツールを公開|IVIG/SCIGの適応ナビ・用量と投与速度の自動計算・院内採用規格で最適バイアル選択

病棟で免疫グロブリン(IVIG/SCIG)を投与するたびに、「この疾患でこの製剤は適応か」「用量は何g/日か」「初期と最高の投与速度は何mL/時か」「院内採用の規格だと何バイアル必要か」を添付文書・ガイドラインで確認し直していませんか。免疫グロブリン…

顔がゆがむ…脳卒中?おでこで見分ける|その症状、大丈夫? #22

「鏡を見たら片側の口角が下がっていた」「うがいの水が片側からこぼれる」「片目が閉じにくい」——突然の顔のゆがみは、多くの方がまず脳卒中を心配する症状です。ですが、顔のゆがみの原因は脳卒中だけではなく、顔面神経そのものの炎症で起こるベル麻痺(…

金縛りの正体とは?幽霊じゃない、脳が起こす睡眠現象

夜中、意識ははっきりしているのに体がまったく動かない「金縛り」。古来「幽霊のしわざ」と恐れられてきましたが、その正体はレム睡眠中に体を止める脳のしくみ(筋アトニア)が、目覚めに持ち越される睡眠麻痺(すいみんまひ)という現象です。一般の人の…

せん妄に困ったらこの1枚|デクスメデトミジン(プレセデックス)の指示の出し方とRASS連動投与法【若手医師向け】

夜間、病棟ナースから「〇〇さん、興奮してルートを抜きそうです。何か指示ください」というコールを受けたとき、ハロペリドール静注やクエチアピン頓服で乗り切ろうとしてもうまくいかない場面に若手医師は必ず遭遇する。とくに過活動型せん妄で呼吸抑制を…

骨折後の脳梗塞?脂肪塞栓症(FES)と "starfield pattern" を見逃さない

脂肪塞栓症候群(fat embolism syndrome:FES)は、長管骨や骨盤骨折の後に骨髄由来の脂肪が血流に入り込み、肺・脳・皮膚・網膜の微小循環を傷害する病態である。なかでも脳脂肪塞栓(cerebral fat embolism:CFE)は、受傷後 12〜72 時間の意識変容として…

内科医のためのノルアドレナリン昇圧治療:ドパミンはもう使わない/3A+生食47mLで始める標準運用

敗血症性ショックや循環不全に対して「とりあえずカタボン(ドパミン)」と指示していた時代は終わりました。昇圧薬の第一選択は2010年代以降ノルアドレナリンに統一され、Surviving Sepsis Campaign 2021、日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG 2024)…

脳幹梗塞で抜管困難な患者の気管切開、いつ行うべきか — SETPOINT2が変えた臨床判断

脳幹梗塞で呼吸抑制があり気管挿管中の患者で、自発呼吸が乏しく抜管困難が予想される——この状況で「気管切開はいつ行うべきか」は神経救急・神経集中治療の現場で日常的に直面する判断である。2013年のSETPOINT pilot試験で「早期気管切開でICU死亡が10% vs…

同意書にサインできない患者への対応 ― 代諾・身寄りなし・家族対立を医師目線で整理

本人の同意は取れているが書けない、意識障害でそもそも意思表示できない、家族はパートナーや友人しかいない――同意書にサインできない患者をどう扱うか、研修医も指導医も日々迷う論点です。本記事では厚労省ガイドライン2本(2018年、2019年)と民法・精神…

障害者の家族のための自動車税減免、「月1回通院」は本当に必要?医師が損益を解説

家族に 障害者手帳をお持ちの方 がいると、申請により自動車税(種別割)と環境性能割が 最大45,000円/年 減免される制度がある1。しかし外来診療の現場で、「月に1回通院していないと減免が受けられないらしいので、毎月来させてください」と家族から言わ…

セロトニン症候群 ― 一般医が見落とさないための診断・鑑別・治療の実践ガイド【2026最新版】

SSRI などの抗うつ薬を服用中に、トラマドール・リネゾリド・メチレンブルー・セレギリンなどが追加された患者で起こるセロトニン症候群。発症の70%は24時間以内に改善する一方、40℃を超える高熱から横紋筋融解症・DIC・腎不全に至り死亡する症例もある。発…

パーキンソン病で内服できなくなったら — レボドパ点滴・経管・貼付薬の使い分けと「エビデンスの限界」

パーキンソン病(PD)の薬物治療はレボドパ・カルビドパ配合剤(メネシット®、ネオドパストン®等)またはレボドパ・ベンセラジド配合剤(マドパー®、イーシー・ドパール®等)の経口投与が中心である。しかし進行期になると嚥下障害・意識障害・周術期絶飲食…

多系統萎縮症にコエンザイムQ10は効くのか?2026年最新情報と注意点

多系統萎縮症にコエンザイムQ10は効くのか?2026年の最新情報と注意点 家族や自分が多系統萎縮症(MSA)と診断された方が「コエンザイムQ10で進行が抑えられる」という記事を見て、市販サプリを試したくなる気持ちはよくわかります。実際、2023年に東京大学…

監修者紹介・編集方針 ― 医知創造ラボのE-E-A-T指針

「医知創造ラボ」は、脳神経内科専門医指導医・総合内科専門医指導医・てんかん学会専門医指導医の資格を持つ医師が、AIを活用しながら日々の臨床と医学論文から得た知見を整理・発信している医学情報ブログです。本記事では、当ブログの監修体制・編集方針…

脳ドックは受けるべき? ― 検査の意味と結果の活かし方|その症状、大丈夫? #20

「脳ドックを受けてみたいけど、本当に必要かな」「親が脳卒中になったから心配」「未破裂脳動脈瘤と言われたらどうすればいいの?」 ― こうした疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。脳ドックは無症状のうちに脳の異常を見つけるための検査ですが…

「バーナム効果」の正しい使い方 ― 日常診療と人間関係に活かす心理テクニック

脳神経内科医の心理学コラム 「なんで分かるの?」と言われる人がいます。占い師、カウンセラー、ベテラン医師、できる上司――。彼らの一部は、共通してバーナム効果(フォアラー効果)という心理現象を、意識的・無意識的に使いこなしています。本記事では、…

認知症と運転免許 ― 家族が知っておくべき制度と説得のコツ|その症状、大丈夫? #19

「高齢の親の運転が心配だけど、どう伝えればいいかわからない」 ― そう悩んでいる家族は少なくありません。「まだ大丈夫」と言い張る親を前に、どうすれば安全のために動けるのでしょうか。日本では75歳以上のドライバーは毎年増加しており、認知症と運転に…

認知症高齢者の食事拒否と「ため込み・吐き出し」— 病型別の鑑別と実践介入

「食事を口に入れても飲み込まない」「口の中にため込んだまま動かない」「吐き出してしまう」— 認知症高齢者の食事問題は、終末期に近づくほど頻度を増し、ナーシングホーム入所者の進行期認知症では 18か月以内に85.8% が摂食障害を呈する [1]。本稿では病…

子どもが「頭が痛い」と言ったら ― 親が知るべき判断基準|その症状、大丈夫? #18

お子さんが「頭が痛い」と訴えたとき、「大丈夫かな」「病院に行くべきかな」と迷った経験はありませんか?子どもの頭痛は実は珍しくなく、小中学生の約半数が頭痛を経験していると報告されています1)。多くは片頭痛か緊張型頭痛ですが、まれに髄膜炎・脳腫…

2026年 麻疹(はしか)が前年比3.8倍に急増|医療従事者が今知るべき診断・暴露後予防・院内対策

2026年に入ってから日本国内の麻疹(はしか)報告数が急増し、国立健康危機管理研究機構(JIHS)の2026年第14週時点で累計236例(前年同期比3.8倍)、第16週時点で362例に達した。2009年以降で最大級の流行ペースであり、米国でも5月7日時点で1,842例と39州…

【国内初】iPS細胞由来パーキンソン病治療薬アムシェプリ®保険適用へ — Nature 2025原著で読み解くKyoto Trialの全貌

国内初のiPS細胞由来再生医療等製品「アムシェプリ®(一般名:ラグネプロセル)」が、2026年5月20日付で薬価収載・保険適用となりました。患者1人あたりの薬価は55,306,737円(約5,530万円、18瓶1組)。レボドパ含有製剤を含む既存薬物療法で効果不十分なパ…

抗リン脂質抗体症候群による脳梗塞|診断基準・DOAC不可の理由・治療の要点

抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)は、ループスアンチコアグラント(LA)・抗カルジオリピン抗体(aCL)・抗β2グリコプロテインI抗体(aβ2GPI)を背景に、動静脈血栓症と妊娠合併症を反復する後天性血栓性疾患である。本稿では特に脳…

その首の痛み、実は神経が原因? ― 整形外科と脳神経内科の境界線|その症状、大丈夫? #17

「首が痛い」「肩がこる」――こうした症状は多くの方が日常的に経験しているものです。しかし、首の痛みの中には、単なる肩こりではなく神経の障害が原因となる病気が隠れていることがあります1)2)。原因が「神経」と聞くと脳神経内科をイメージするかもしれ…

脳梗塞で寝たきり全介助の患者は身体障害1級か? ― 「体幹機能廃絶」ではなく「下肢障害」になる理由と例外

脳梗塞後の片麻痺で寝たきり・座位保持も困難な全介助患者の身体障害者手帳を申請するとき、「座っていられない=体幹機能廃絶=1級」と判断したくなる場面は多くあります。しかし、身体障害認定基準の通達では、脳血管障害による片麻痺は原則として体幹機能…

スマホの使いすぎで手がしびれる? ― デジタル時代の神経トラブル|その症状、大丈夫? #16

「スマホを長時間使っていると手がしびれる」「パソコン作業の後に首から肩にかけて痛い」「指先がピリピリする」――こうした症状に悩む方が急増しています。スマートフォンやパソコンの普及とともに、首・腕・手の神経にダメージを与えるデジタルデバイス関…

眠れないのは脳のせい? ― 不眠のメカニズムと正しい対処法|その症状、大丈夫? #15

「布団に入っても眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」――こうした不眠の悩みを抱える方は非常に多く、日本人の約5人に1人が不眠症状を経験しているとされています1)。 この記事では、脳神経内科医の視点から、睡眠を司る脳のしく…

エンシュア・ラコール 2026年改定で「栄養保持目的」は保険給付外 ─ 経管栄養・術後・医師判断 3条件を完全整理

令和8年度(2026年度)診療報酬改定により、2026年6月から、エンシュア・リキッド/エンシュア・H/ラコールNF/ツインラインNF/エネーボ/イノラスを「栄養保持目的で経口投与する」用途は保険給付の対象外となる方向で、告示・通知の調整が進んでいます[1…

味がしない・味が変わった ― コロナだけじゃない味覚障害の原因と受診の目安|その症状、大丈夫? #14

「最近、食事の味がしない」「何を食べても同じ味に感じる」「口の中がずっと苦い」――こうした味覚の異常は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として広く知られるようになりましたが、実は亜鉛不足・薬の副作用・口腔の問題・神経疾患など、原…