2026年1月20日時点 日本全国のインフルエンザ流行状況

 

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現在、日本で流行しているインフルエンザは主にA型(H3N2亜型)です。直近5週間(2025年第50週~2026年第2週)の国内検出ウイルスの約93%がA/H3N2で占められており、A/H1N1pdm09は約1%と少数、インフルエンザB型は約6%にとどまっています[1]。検出されたB型ウイルスはす

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2026年1月20日時点 日本全国のインフルエンザ流行状況(詳細分析報告)

📋 2025/26シーズンの主要ポイント ・主流ウイルス:A型(H3N2亜型)が約93%を占める
・流行パターン:西日本中心の早期流行、全国平均ピークは定点当たり約37人(第50週)
・重症化リスク:入院患者の約42%が80歳以上の高齢者
・ワクチン:3価ワクチンに変更、流行株との大きなミスマッチなし

現在流行中のインフルエンザウイルスの型

現在、日本で流行しているインフルエンザは主にA型(H3N2亜型)です。直近5週間(2025年第50週~2026年第2週)の国内検出ウイルスの約93%がA/H3N2で占められており、A/H1N1pdm09は約1%と少数、インフルエンザB型は約6%にとどまっています[1]。検出されたB型ウイルスはすべてVictoria系統(山形系統の検出報告は皆無)であり、世界的にもB/Yamagata系統のウイルスはほぼ消失している状況です[1][2]

今シーズンの流行はA/H3N2が中心ですが、シーズン後半に入りB型の占める割合が徐々に増加しており、一部地域ではインフルエンザB型による集団感染も報告され始めています[3](例:愛媛県では迅速検査報告例の13.6%がB型[3])。現在までA/H3N2亜型に大きな抗原変異は報告されておらず、流行株はワクチン株に近いと考えられますが、引き続きウイルスの動向に注視が必要です。

ウイルス型 検出割合 備考
A/H3N2 約93% 今シーズンの主流、ワクチン株と一致
A/H1N1pdm09 約1% 少数検出
B型(Victoria系統) 約6% 山形系統は世界的に消失、後半増加傾向

年齢別の感染状況・重症化傾向

小児から高齢者まで幅広い年齢層で感染報告がありますが、重症化リスクが高いのは高齢者です。全国約5,000か所の定点医療機関からの患者報告によれば、今シーズンは学校児童世代を中心に患者数が増加しました。実際、流行ピーク時には全国各地の小学校・中学校で学級閉鎖が相次ぎ、小児・学齢期での流行拡大が顕著でした[4]

🚨 高齢者の重症化に注意 2026年第2週のインフルエンザ入院患者1,081例のうち、約2/3が60歳以上。特に80歳以上が451例(約42%)70代が174例(約16%)を占める[5]

一方で、インフルエンザによる入院症例は高齢者に集中しています。2026年第2週に報告されたインフルエンザ入院患者1,081例のうち、およそ2/3が60歳以上で占められており、とりわけ80歳以上の高齢者が451例と全体の約42%を占めています[5]70代も174例(約16%)と多く、高齢者で重症化しやすい傾向が明瞭です[5]。これに対し、小児(0~9歳)の入院は数的には少なく、同週では約17%程度(≈188例)にとどまりました[5]

以上から、小児は主に軽症~中等症例として多数の感染が報告され、高齢者は感染数自体は小児より少ないものの重症化(入院)する割合が高いと考えられます。インフルエンザ脳症など重篤合併症は稀ですが主に小児で報告されることがあり、高齢者ではウイルス性肺炎の併発基礎疾患の悪化による重症化に注意が必要です。

学童・生徒間での流行

年齢層別の罹患動向としては、学童・生徒の間での流行が顕著でした。例えば、本シーズン序盤の2025年11月頃には学校での集団感染が各地で頻発し、全国的に学級閉鎖数が急増しました[4]。流行のピークであった2025年11月第4週(第47週)には全国で6,323クラスもの学級閉鎖(他に休校250校、学年閉鎖2,244学年)が報告され[4]、学齢期の子どもを中心に爆発的な感染拡大が起こったことがうかがえます。

学級閉鎖の発生は冬休みを挟んでいったん大きく減少し、2026年1月第2週には全国合計9件(学級閉鎖3校×3学年×9学級相当)まで沈静化しました[6]。しかし、新学期の再開とともに地域によっては再度学級閉鎖が増える可能性もあり、学童間の流行動向を引き続き監視する必要があります。

地域ごとの流行状況

今シーズンのインフルエンザ流行は、地域によって強度とピーク時期に差が見られました。特に九州南部から西日本にかけて極めて早期かつ大規模な流行が発生しています。

⚠️ 西高東低の流行パターン 西日本(九州・四国)で早期・大規模流行、東日本・都市部では流行強度がやや抑制。2026年1月中旬現在も宮崎県(31.32人)、鹿児島県(23.51人)など西日本で高水準が継続。

西日本の流行状況

2025年11月~12月にかけて、九州・四国地方で定点当たり報告数が急増し、宮崎県では第50週に定点当たり99.93人という極めて高い患者報告値を記録しました[7][8]。同様に鹿児島県でもピーク時に定点当たり約75人以上の水準に達し[9][10]福岡県(第50週63.69人)佐賀県(同57.67人)高知県(同54.92人)など、西日本各地で警報レベル(30人以上)を大きく上回る水準の流行が確認されました[9][10]。これら地域では11月中旬~12月上旬にかけ早くも流行のピークを迎えており、年末にかけて患者数が減少傾向に転じています(例:宮崎県は99.93人→第2週31.32人に低下)[8][11]

東日本・都市部の流行状況

一方、東日本や都市部では流行強度がやや抑制され、ピークも遅れました。首都圏の東京都では第50週の定点報告数が17.8人と、西日本に比べ低い水準でピークに達し[12]、その後年末~年始にかけて大幅に減少しました(第2週時点6.86人[12])。関東近郊でも神奈川県(第50週17.93人)埼玉県(同24.41人)など概ね20人前後でピークを迎え[13]、流行規模は九州ほど大きくありませんでした。

東北・北海道地方も含め、多くの地域では12月末~1月初頭にかけて患者報告数がいったん減少し、流行は沈静化傾向を見せています[14]。実際、全国平均の定点当たり報告数は年末の第52週に10.35人まで低下しました[12][15]

地域 ピーク時(第50週) 第2週時点 傾向
宮崎県 99.93人 31.32人 減少傾向だが依然高水準
鹿児島県 約75人以上 23.51人 減少傾向
福岡県 63.69人 減少傾向
高知県 54.92人 20.29人 やや高水準継続
東京都 17.8人 6.86人 沈静化
神奈川県 17.93人 9.19人 沈静化

しかし、地域差が大きい点に注意が必要です。2026年1月中旬現在でも流行が持続している地域があります。最新の第2週のデータでは、依然として宮崎県(定点当たり31.32人)鹿児島県(23.51人)が全国で最も高い水準であり、他に高知県(20.29人)沖縄県(18.11人)愛媛県(17.86人)など西日本を中心に平均値を上回る報告数が続いています[11]。これらの地域では冬休み明け以降も流行が長引いており、今後も警報レベル前後の患者発生が続く可能性があります。

一方、東日本の多くの都府県では流行が小康状態となっており、例えば関東地方では第2週時点で東京都6.86人、神奈川県9.19人、千葉県11.20人と注意報レベル(10人)程度かそれ未満に落ち着いています[12][16]。このように、流行は西高東低の傾向が見られ、地域によって流行のタイミングにも差異があります。引き続き都道府県別の動向を注視し、流行が拡大している地域では医療提供体制の逼迫に備えた対応が求められます。

過去5年間との比較(傾向の変化)

本シーズンの流行態様を直近5年間と比較すると、COVID-19流行期を経てインフルエンザ流行パターンが大きく変化していることがわかります。以下に過去シーズンの動向をまとめます。

📋 2025/26シーズン(今シーズン)の特徴 ・流行入りが非常に早期(2025年9月第39週頃)[29]
・11月中旬には早くも全国的に警報レベルを超える勢い
・報告数ピークは全国定点平均で約37人(2025年第50週)[30]
・2026年1月中旬時点の全国定点当たり報告数は10.54人(第2週)で、昨年同時期(35.02人)の約1/3[30]
シーズン ピーク値(定点当たり) 特徴
2020/21・2021/22 流行なし コロナ対策により事実上流行せず
2022/23 12.91人 緩やかな立ち上がり、持続的低レベル流行
2023/24 33.73人 早期流行、13週連続で定点10以上
2024/25 64.39人 過去最大規模、1999年以降最多
2025/26 約37人 西日本中心の早期流行、前年より低いピーク

ワクチン株との一致状況と推定されるワクチン効果

今シーズンのワクチン株は流行ウイルスと概ね一致しており、一定の予防効果が期待されています。日本の季節性インフルエンザワクチンは本シーズンから世界動向に合わせて3価ワクチン(A(H1N1)pdm09・A(H3N2)・B[ビクトリア系統])に変更されました[2]。これは、ここ数年世界的にB/山形系統ウイルスの検出がなくなったことを踏まえた措置で、実際2025/26シーズンも山形系統の流行は確認されていないため合理的な対応です[2]

現在主流のA/H3N2亜型ウイルスについても、ワクチン株には最新の系統株(例:A/Peru/2024株)が採用されており、抗原性の面で大きなズレ(ミスマッチ)は生じていないと考えられます。少数ながら検出されているA/H1N1pdm09もワクチン株(A/Victoria/2022株)と同系統で、B型(ビクトリア系統)はワクチン株に含まれている株と一致します。したがって、現時点で流行中のウイルスに対してワクチン株の構成は適切にマッチしているといえます。

⚠️ サブクレードKに関する注意 欧州やWHOの報告によれば、2025/26シーズン序盤に流行したA(H3N2)のサブクレード「J.2.4.1(通称K)」がワクチン株と一部抗原性が異なる可能性があります。しかし重症化予防効果は維持される見込みであり、引き続き接種が推奨されています。

ワクチン有効性の実績

ただし、ワクチンの予防効果は100%ではなく、ウイルスの微小な変異や個人差の影響も受けます。今シーズン前半、欧米を中心にA/H3N2亜型の一部で細かな系統変異(いわゆる「サブクレードK」)の出現が報告されており、この変異株に対するワクチン効果がやや低下する可能性が指摘されています。それでもワクチン接種は発症と重症化の双方を減らす上で重要です。

実際、前シーズン(2024/25)のワクチンは世界的に良好な有効性を示し、例えば米国では発病予防効果56%欧州でも32~56%日本の小児において57~73%の有効率が報告されています[31]。特に高齢者施設ではワクチンがインフルエンザによる死亡の約82%を防いだとの研究もあり[32]、重症化予防効果は顕著です。以上より、本シーズンのワクチンも大きな株の不一致はなく従来並みの有効性が期待できると考えられます。

地域/対象 ワクチン有効率(2024/25)
米国(発病予防) 56%
欧州 32~56%
日本(小児) 57~73%
高齢者施設(死亡予防) 約82%

今後、日本国内でもワクチン有効性の実地データ解析が進められる見込みです。医療従事者およびハイリスク者(65歳以上の高齢者、乳幼児、基礎疾患を有する患者、妊婦等)は積極的なワクチン接種が推奨されており[33]、「ワクチン+基本的感染対策」で流行シーズンを乗り切ることが重要です。

医療機関・学校等への影響

医療提供体制への影響

今シーズンのインフルエンザ流行は、医療提供体制や学校教育現場にも大きな影響を及ぼしました。患者急増により外来受診者が急激に増加し、流行ピーク時の2025年12月には週当たり報告患者数が約16万人に達したと推計されます[34]。特に昨年末の大流行期には、発熱外来や小児科外来が発熱患者であふれ、「発熱外来の受診調整(トリアージ)」や診療時間延長などの対応に追われた医療機関も多く見られました。

厚生労働省も各都道府県に対しインフルエンザ患者急増時の病床確保や発熱外来の拡充等を求め、全国的に医療逼迫防止の対策が取られています。幸い、今シーズンは昨年ほどの規模ではないため年明け以降は外来患者数も減少傾向で、多くの医療機関で負荷は軽減してきています[35](2026年第2週のインフルエンザ報告患者数は39,996人と前シーズン同時期より大幅に少ない[35])。しかし、地域によっては依然流行が続いており、例えば九州南部では入院需要も高いため、高齢者施設での集団感染予防重症患者の早期治療開始など、医療現場では引き続き注意が必要です。

学校・教育現場への影響

学校や保育施設への影響も顕著でした。前述のように昨年秋~初冬にかけて児童生徒の間で流行が広がり、臨時休校や学級閉鎖が続発しました[4]11月下旬には全国合計で休校250校・学級閉鎖6,323学級にも上り[36]、多くの学校で授業の停滞を余儀なくされています。特に流行の激しかった地域では、学校医や地域の保健所と連携して発熱者の早期発見と出席停止措置を徹底し、感染拡大防止に努めました。

冬休み期間中は自然鎮静化しましたが、学校再開後に再度クラスターが発生するリスクもあり、文部科学省や各教育委員会は学級閉鎖基準の柔軟な適用オンライン授業への切り替え準備を各校に通知しています。

企業・職場への影響

また、企業や職場にも今シーズンは影響が及びました。特に昨年末の流行ピーク時には従業員のインフルエンザ罹患による欠勤が相次ぎ、事業所内での感染対策(時差出勤やマスク着用推奨など)が再度講じられた例もあります。幸い新型コロナウイルスの大流行期に比べれば社会機能への影響は限定的ですが、インフルエンザと新型コロナの同時流行(いわゆるツインデミック)に備えて医療機関では検査体制を拡充するなどの対応が取られました。

📋 医療者への提言 ・最新の流行状況を注視し、患者への迅速な抗インフルエンザ薬投与や合併症予防を徹底
高齢者・小児へのワクチン接種を推奨
COVID-19との鑑別診断の徹底
・各種サーベイランスのデータ(国立感染症研究所や厚労省の週報等)を活用し、流行再拡大の兆しを警戒

総じて、2025/26シーズンのインフルエンザ流行は前年ほどの深刻な事態には至っていないものの、高齢者の重症例や学齢児の集団感染が目立ち、地域差も大きい状況です。医療者としては最新の流行状況を注視しつつ、患者への迅速な抗インフルエンザ薬投与や合併症予防、高齢者・小児へのワクチン接種推奨、さらにCOVID-19との鑑別診断の徹底など、多面的な対応が求められます。各種サーベイランスのデータ(国立感染症研究所や厚労省の週報等)を活用し、流行が再拡大する兆しがないか引き続き警戒してください。

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📚 参考文献

1 5 11 35 厚生労働省. インフルエンザの発生状況について(令和8年1月16日報道発表)[Internet]. 東京: 厚生労働省健康局; 2026 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/001633051.pdf
2 26 27 31 32 33 36 国立感染症研究所(国立健康危機管理研究機構). インフルエンザ(2026年第2週)疫学情報《コメント》[Internet]. 東京: 感染症疫学センター; 2026 Jan 16 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/article/influenza/flu2025and26/02week/2026_02_flu_epi.pdf
3 37 愛媛県衛生環境研究所. インフルエンザ情報(2025/2026シーズン)第2週速報[Internet]. 松山: 愛媛県感染症情報センター; 2026 Jan 16 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://www.pref.ehime.jp/site/kanjyo/124150.html
4 厚生労働省. インフルエンザの発生状況について[Internet]. 東京: 厚生労働省健康局; 2025 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/001628004.pdf
6 7 8 9 10 12 13 14 16 30 国立感染症研究所(国立健康危機管理研究機構). インフルエンザ(2026年第1週)疫学情報[Internet]. 東京: 感染症疫学センター; 2026 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/article/influenza/flu2025and26/01week/2026_01_flu_epi.pdf
15 島根県感染症発生動向調査[Internet]. 島根県; 2026 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kansen/inf/02_03/inf0000.htm
17 20 21 22 23 24 25 28 国立感染症研究所(国立健康危機管理機構). IDWR 2024年第1号 <注目すべき感染症>インフルエンザ[Internet]. 東京: NIID; 2024 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/rapid/2024/1/article/flu-m/index.html
18 19 34 38 日本感染症学会. 2025/26シーズンに向けたインフルエンザワクチン接種に関する考え方とトピックス[Internet]. 東京: 日本感染症学会; 2025 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/influenza_2501003.pdf
29 日本ワクチン学会. 2025-26期の季節性インフルエンザワクチンの接種に関する見解[Internet]. 東京: 日本ワクチン学会; 2025 Sep 24 [cited 2026 Jan 20]. Available from: https://www.jsvac.jp/pdfs/20250924.pdf

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