コメント
患者用説明ページ、Youtubeの第2弾は「てんかん発作をみたらどうする?」です。

📑 目次
1. 突然けいれんしている人を見たら
目の前で人が突然倒れ、体をガクガクとけいれんさせ始めたら、多くの人は強い不安を感じます。
「何か口に入れないといけないのでは?」「舌をかんでしまうのでは?」「すぐに救急車を呼ばないと危ない?」
実は、慌てて間違った対応をしてしまうことの方が危険です。
てんかん発作の多くは、自然に1~2分でおさまります。まず大切なのは、落ち着くことです。
2. まずやること(これが最重要)
発作を目撃したときに大切なポイントを、順番に整理します。
① 周囲の危険を取り除く
机や椅子、硬い物、尖った物を遠ざけます。転倒によるケガを防ぐことが最優先です。
② 頭を保護する
衣服やカバンなど柔らかい物を頭の下に入れます。
③ 可能なら横向きにする
発作がおさまりかけたら、横向き(回復体位)にします。よだれや吐物がのどに詰まるのを防ぎます。
※けいれんの最中に無理に動かす必要はありません。
④ 時間を測る
時計やスマートフォンで発作の長さを確認します。「何分続いたか」は医療側にとって非常に重要な情報です。
⑤ 無理に押さえつけない
体を強く押さえつけると、骨折や筋肉損傷の原因になります。
3. やってはいけないこと
❌ 口に物を入れない
スプーンやハンカチ、指などを入れると、歯を折る、窒息する、指を噛まれるなどの危険があります。舌を飲み込むことはありません。
❌ 無理にけいれんを止めようとしない
発作は脳の電気的な乱れで起きています。外から力で止めることはできません。
❌ 水や薬を飲ませない
意識が戻るまでは誤嚥(ごえん:誤って気道に入ること)の危険があります。
❌ すぐに人工呼吸をしない
発作中は一時的に呼吸が弱く見えることがありますが、多くは自然に回復します。
4. 救急車を呼ぶべき状況
次の場合は救急要請を検討してください。
| 状況 | 理由・補足 |
|---|---|
| 発作が5分以上続く | てんかん重積状態の可能性があり、治療が必要 |
| 発作が終わってもすぐにまた始まる | 連続発作は緊急性が高い |
| 初めての発作 | 原因の鑑別が必要 |
| 強く頭を打った | 外傷の評価が必要 |
| 妊娠中 | 母体・胎児への影響を評価 |
| 呼吸が戻らない | 気道確保が必要 |
| 水の中で発作が起きた | 溺水のリスクが高い |
5. 発作後の様子
発作がおさまった後、以下のような状態がみられることがあります。
ぼんやりする、眠ってしまう、会話がうまくできない、頭痛や筋肉痛がある——こうした状態はよくあります。
多くの場合、時間とともに自然に回復します。無理に起こそうとせず、静かな場所で休ませましょう。
6. そもそも、てんかんとは?
てんかんは、脳の神経細胞の電気活動が一時的に乱れる病気です。脳は電気信号で情報をやり取りしていますが、その電気が一時的に過剰に発生すると、発作が起きます。
特別な人だけがなる病気ではありません。日本では約100人に1人が経験するといわれています。多くは薬でコントロール可能です。
7. よくある誤解
8. 受診の目安まとめ
| 緊急度 | 状況 |
|---|---|
| 🚨 すぐ救急受診 | 5分以上続く発作/初回発作/外傷あり/呼吸が戻らない |
| ⚠️ 早めに外来受診 | 繰り返す意識消失/原因不明のけいれん/発作後の回復が遅い |
9. まとめ
てんかん発作は、見た目ほど危険な状態ではないことが多い病態です。
① 落ち着く → ② 危険を避ける → ③ 時間を測る → ④ 無理をしない
正しく知ることで、必要以上に怖がる必要はありません。てんかんは、適切な治療で多くがコントロールできる病気です。もし不安があれば、神経内科に相談してください。
📚 参考文献・参考情報
🔗 あわせて読みたい関連記事