VZVによるウイルス性脊髄炎とは|症状・診断・治療・予防をわかりやすく解説

VZV(水痘・帯状疱疹ウイルス)による脊髄炎は、帯状疱疹のまれな神経合併症として知られ、足の麻痺・しびれ・排尿障害を残しうる重い病態です。皮疹が出ない無疹性帯状疱疹の形で発症する場合や、初期MRIが正常な場合、PCRが陰性の場合でも否定できないという落とし穴が多く、見逃されやすい疾患でもあります。本記事では、VZV脊髄炎(帯状疱疹性脊髄炎)の病態・症状・診断・治療・予後・予防までを、日本の公的資料・学会ガイドラインと症例報告をもとに、一般の方にも医療従事者にも役立つ形で整理します。

この記事のポイント
・VZV脊髄炎は帯状疱疹の稀だが重要な神経合併症
皮疹がない / MRI正常 / PCR陰性でも否定できない
・診断は髄液VZV PCR + VZV IgG抗体価指数の両輪
・治療は早期のアシクロビル全身投与が中心
・予防は帯状疱疹ワクチン(2025年度から65歳定期接種)が最も現実的

VZV脊髄炎の全体像 ― 病態・症状・診断の落とし穴・治療・予防を1枚にまとめたインフォグラフィック

図0: VZV脊髄炎の全体像 ― 本記事の要点を1枚に整理(病態・症状・診断の落とし穴・治療・予防)

1. VZV脊髄炎とは何か

▶ 帯状疱疹との関係

水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)は、ヘルペスウイルス科に属するDNAウイルスです。子どもの頃の水痘(みずぼうそう)のあと、ウイルスは主に脊髄後根神経節や脳神経節に長く潜伏し、加齢や免疫機能低下をきっかけに再活性化して帯状疱疹を起こします1,2

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の電子顕微鏡像

図1: 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の電子顕微鏡像
出典: CDC/Dr. Erskine Palmer, B.G. Partin (Public Domain, via Wikimedia Commons)

帯状疱疹は多くの場合、神経分節(デルマトーム)に沿った片側性の水疱性皮疹として現れますが、その本質は神経節炎(ganglionitis)であり、神経の病気です。そのため再活性化したVZVが神経節の枠を超えて周囲に広がると、髄膜炎・脳炎・脊髄炎・VZV血管障害といった中枢神経合併症を起こすことがあります3,4。VZV脊髄炎はそのなかで、脊髄そのものに炎症が及んだ状態を指します。

▶ どれくらい稀なのか

VZV脊髄炎は、日常診療で頻繁に遭遇する病気ではありません。帯状疱疹の合併症をまとめた近年の系統的レビューでも、帯状疱疹後神経痛(PHN)を除く神経合併症全体が一般集団で0.6〜3.24%と報告されており、脊髄炎はそのごく一部です5。VZV脊髄炎単独の正確な人口発症率は不明ですが、「帯状疱疹のなかでもかなり稀」と理解してよい位置づけです。

ただし、稀だからこそ見逃しやすい点が問題です。皮疹が目立つ典型例だけでなく、皮疹がない無疹性帯状疱疹や、神経症状が先に出てから皮疹が現れる症例も報告されており、臨床現場では「帯状疱疹のあと足が動かない」「皮疹はないが胸背部痛のあと尿が出にくい」という文脈でこの病気にたどり着くことが少なくありません6,7

2. 原因と病態 ― なぜ脊髄に炎症が及ぶのか

▶ 神経節に潜伏したVZVの再活性化

初感染後のVZVは、脊髄後根神経節(DRG)や三叉神経節などに潜伏感染し、宿主の細胞性免疫によって沈黙を保たれています。加齢(特に50歳以降)、悪性腫瘍、HIV感染、免疫抑制薬、造血幹細胞移植後などで細胞性免疫が低下すると、ウイルスが再活性化し、対応する皮膚分節で帯状疱疹を起こします1,2

▶ 直接感染型と免疫介在型(治癒後発症型)

VZV脊髄炎の病態は、大きく二つに分けて考えるとわかりやすくなります8,9

▼ 2つの病態機序

①直接感染型 再活性化したVZVが神経節から脊髄へ直接波及。帯状疱疹の急性期に発症し、皮疹のある神経分節近くに病変が出ることが多い。
②免疫介在型 感染後の免疫反応が脊髄に炎症を起こす。皮疹のあと数日〜数週間たってから発症する「治癒後発症型」はこちらに含まれる。

※実臨床では両機序に加えて血管炎性機序も重なる可能性があり、単一機序に固定せず評価するのが安全です。

▶ 皮疹がない無疹性帯状疱疹(zoster sine herpete)

帯状疱疹と聞くと「赤い水疱が帯状に出る病気」をイメージしがちですが、VZVが再活性化しても皮膚病変が目立たない、あるいはまったく出ないケースがあります。これを無疹性帯状疱疹(zoster sine herpete)と呼びます。日本の症例報告でも、皮疹がないままVZV関連急性脊髄炎を発症した例が記載されており、この概念を知らないと診断が大きく遅れます7

また、近年の症例報告・文献レビューでも、免疫正常例と免疫不全例の両方でVZV脊髄炎の発症が確認されており、病態の多様性が強調されています6,9。つまり「若くて健康でも起こりうる」病態であり、鑑別から簡単に外してはならないウイルス性脊髄炎の代表格と言えます。

3. 主な症状 ― 歩きにくさ・しびれ・排尿障害

VZV脊髄炎の代表的な症状は、下肢の脱力、歩きにくさ、しびれや感覚鈍麻、排尿・排便障害です。日本の公的資料では「帯状疱疹発症後数日から数週間で一相性に痙性麻痺をきたし、尿閉や排便障害を伴いうる」と整理されています2,10

ヒトの脊髄神経デルマトーム分布図

図2: 脊髄神経の皮膚分節(デルマトーム)― 帯状疱疹はこの1〜2分節に沿って出ることが多い
出典: Uwe Thormann (CC BY-SA 3.0), via Wikimedia Commons

▶ 下肢の脱力と歩行障害

胸髄レベルに病変がある場合、対麻痺(両下肢の脱力)として現れます。はじめは「足が重い」「階段でつまずきやすい」程度でも、数日のうちに立てない、歩けない状態まで進行することがあります。頸髄病変では上肢の脱力や巧緻運動障害、四肢麻痺に至ることもあります6,11

▶ しびれ・感覚障害

脊髄レベルより下の温痛覚・触覚が鈍くなる感覚レベル(sensory level)がみられます。「へそから下の感覚が鈍い」「膝から下がじんわり痺れる」といった訴えが典型です。片側優位の症状を示す例(Brown-Séquard症候群様)もあります。

▶ 排尿障害と排便障害

尿閉、残尿、頻尿、尿失禁、便秘などが起こります。特に尿閉は見逃されやすく、「昨日から尿が出ていない」という訴えで初めて脊髄病変が疑われることもあります。膀胱直腸障害は脊髄症の診断上きわめて重要な所見です10

▶ 皮疹が先に出る場合と出ない場合

典型例では、皮疹(帯状疱疹)が先行し、その数日〜数週間後に神経症状が加わります。しかし皮疹が後から出る例・皮疹がまったく出ない無疹性帯状疱疹も存在します。皮膚に発疹が出る前から胸や背中の神経痛様の痛みが先行し、そこから下肢麻痺や尿閉が出現した場合は、単なる帯状疱疹後痛ではなく中枢神経合併症を疑うべきです7,12

⚠ 救急受診が必要なサイン

  • 帯状疱疹のあと、急に両足に力が入らない
  • 尿が出ない、または尿失禁が続く
  • 胸や腹の周りに、感覚の鈍い「帯」ができた
  • 皮疹はないが、神経痛様の痛みのあとに下肢の異常が出てきた

4. 診断の進め方 ― 画像と髄液の使い分け

▶ まず「急性脊髄症」として緊急評価する

診断で最初に大切なのは、「VZVかどうか」より先に急性脊髄症として緊急評価することです。圧迫性脊髄症、脊髄梗塞、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)、多発性硬化症、他の感染性脊髄炎(ヘルペス以外のウイルス・細菌・結核など)を丁寧に除外していく必要があります13。特に圧迫性病変を画像で確実に外すことが基本です。

▶ MRIと髄液検査

脊髄MRIでは、T2強調像の高信号や造影効果を認めることが多く、頸髄〜胸髄の長い病変として描出される例もあります。一方、発症初期にMRIが明らかでないことも珍しくありません。国内の無疹性帯状疱疹関連急性脊髄炎の症例では、全脊髄MRIが正常でも体性感覚誘発電位異常と髄液所見から診断に至っています7

VZV脊髄炎の脊髄MRI:T8〜T11にわたるT2高信号病変と造影効果

図3: VZV脊髄炎の典型的MRI所見 ― T2強調像でT8〜T11にわたる高信号病変(矢状断・左)と、造影MRIで脊髄・髄膜の小斑状〜帯状の造影効果(右)
出典: Liu Q, Zhou X, Li Z. Acute myelitis with multicranial neuritis caused by Varicella zoster virus: a case report. BMC Neurology. 2022;22(1):45. doi:10.1186/s12883-022-02571-y(CC BY 4.0)

髄液検査では、リンパ球優位の細胞数増多と蛋白上昇がみられることが多いです。糖は通常保たれます。

▶ VZV PCRとVZV IgG抗体価指数 ― 最大の落とし穴

ウイルス学的診断の中心は、髄液VZV PCR髄液内抗VZV IgG抗体産生の評価です。ここがVZV脊髄炎診断の最大の落とし穴で、PCR陰性でも否定できません

国内外の報告によれば、髄液採取の時期が遅くなるほどPCR陽性率は下がり、逆に特異抗体陽性率が上がります。髄液/血清のVZV IgG抗体価指数(CSF/serum IgG antibody index)が1.5〜2.0を超えるなら、髄腔内のVZV特異抗体産生を示唆します。またVZV関連神経疾患では、髄液中の抗VZV IgGはVZV DNA(PCR)よりも感度が高いという報告もあり、PCRと抗体の両方を測る姿勢が実用的です14,15,16

▼ VZV脊髄炎 診断フロー(簡略版)

① 下肢脱力・感覚障害・尿閉 → 急性脊髄症を疑う
    ↓
② 脊髄MRI + 髄液検査を緊急実施(圧迫性病変を除外)
    ↓
髄液VZV PCR + 髄液/血清VZV IgG抗体価指数を同時提出
    ↓
④ VZVを示す所見あり → VZV脊髄炎を強く疑い早期抗ウイルス治療
    ↓
⑤ VZV陰性 → 圧迫性・脊髄梗塞・NMOSD・MOGAD・他感染症を再評価

▶ 鑑別が必要な病気

鑑別疾患 キーとなる所見
圧迫性脊髄症 MRIで椎間板ヘルニア・腫瘍・膿瘍など圧迫病変
脊髄梗塞 突然発症、前脊髄動脈領域分布、拡散強調像高信号
NMOSD AQP4抗体陽性、長い脊髄病変(LETM)、視神経炎合併
MOGAD MOG抗体陽性、LETM、円錐下部病変が多い
他のウイルス性脊髄炎 HSV、CMV、EBV、エンテロウイルス、HIVなどの感染マーカー
特発性/傍感染性横断性脊髄炎 感染後発症、病原体特定不能、ステロイド反応性

5. 治療 ― 抗ウイルス薬とステロイド

▶ 抗ウイルス薬(アシクロビル静注)

治療の中心は、できるだけ早い全身抗ウイルス療法です。日本皮膚科学会の「帯状疱疹診療ガイドライン2025」では、急性帯状疱疹に抗ウイルス薬の全身投与を強く推奨し、重症化や合併症リスクが高い高齢者・免疫不全患者・重症例では入院しての点滴治療を考慮すべきとしています17

VZV脊髄炎そのものに関しては比較試験が乏しく、標準化された単一レジメンは不明ですが、症例報告・症例集積ではアシクロビル10mg/kgを8時間ごと、約2週間の静注が実践的に用いられています11,18。HIV関連の重症VZV合併症に対する米国NIHのガイドラインも同様のレジメンを起点に、臨床的改善後は経口バラシクロビル等に切り替えて総計10〜14日、脊髄炎ではより長期が考慮されるとしています。

▶ ステロイド併用の考え方

ステロイド(メチルプレドニゾロン・パルスや経口プレドニゾロン)の併用は、実臨床ではしばしば行われます。国内では、アシクロビルとメチルプレドニゾロンの併用で改善した症例が複数あり、2020年の無疹性帯状疱疹関連急性脊髄炎症例でも早期併用で完全回復が得られました7,15

一方で、VZV中枢神経感染全般に対するステロイド併用には、ガイドラインレベルの強い推奨はまだ確立されておらず、レビューでも「確立した勧告はない」と整理されています18。したがって現時点では「併用されることが多いが、根拠は限定的」と理解し、個別症例ごとに判断されるべき治療と位置づけるのが安全です。

▶ リハビリテーションと支持療法

支持療法も回復に大きく寄与します。

  • 排尿管理: 尿閉例では間欠的自己導尿や膀胱内留置を適切に行い、尿路感染予防にも留意します。
  • 早期リハビリテーション: 麻痺部位の関節可動域訓練、座位・立位・歩行訓練を段階的に進め、廃用予防と機能回復を図ります。
  • 腎機能に応じた用量調整: アシクロビル静注は腎排泄のため、高齢者・腎機能低下例では腎障害や中枢神経副作用(意識障害・幻覚・ミオクローヌス等)リスクが上がり、eGFRに応じた減量が必須です17
  • 神経障害性疼痛対策: 帯状疱疹後神経痛や脊髄障害後疼痛には、プレガバリン・ミロガバリン・デュロキセチン・三環系抗うつ薬などが用いられます。

6. 予後 ― 回復と後遺症

▶ 回復が見込める症例

予後は幅があります。早期に診断・治療された症例、とくに無疹性帯状疱疹関連でも早期にアシクロビルとステロイドを併用できた症例では、完全回復に近い経過が報告されています7,15。近年の症例報告でも、早期介入により歩行可能まで改善した経過が示されています6

▶ 後遺症が残りやすい症例

一方で、治療開始が遅れた例、病変が長く広い例、免疫不全背景のある例では、筋力低下・感覚障害・歩行障害・膀胱直腸障害が後遺することがあります。国内症例集積でも、しびれや歩行障害が残存した症例が報告されています11

正確な死亡率や恒久的後遺症率をVZV脊髄炎単独で示す質の高い集団データは不明です。そのため実務的には「回復する人もいるが、後遺症を残すこともある。だからこそ早く疑って治療することが大切」というメッセージが最も適切です。

7. 予防 ― 帯状疱疹ワクチンと早期治療

▶ 帯状疱疹ワクチン(2025年度から定期接種化)

もっとも現実的な予防は、帯状疱疹そのものを防ぐことです。日本では2025年度から65歳の者などが帯状疱疹ワクチンの定期接種対象となり、生ワクチン1回または組換えワクチン(シングリックス)2回接種が選択できるようになりました19,20

項目 生ワクチン(ビケン) 組換えワクチン(シングリックス)
接種回数 1回 2回(2〜6ヵ月間隔)
帯状疱疹予防効果(接種1年時) 約60% 90%以上
接種5年時効果 減衰が早い 約90%維持
接種10年時効果 データ限定的 約70%
免疫不全者への接種 禁忌 可能

厚生労働省のファクトシートでも、組換えワクチンは第III相試験で高い帯状疱疹予防効果とPHN予防効果が示されており、日本人サブグループでも同様の傾向でした19,20,21

ただし、VZV脊髄炎単独の長期予防効果を直接示すデータはまだ限定的です。帯状疱疹そのものを減らせれば結果として神経合併症リスクも下がると合理的に期待できますが、脊髄炎に対する直接効果は「強く期待されるが未確定」と理解するのが信頼性の高い表現です22

▶ 帯状疱疹を早く治療する意義

ワクチン接種歴がない場合でも、帯状疱疹を発症したら72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが、PHNをはじめとする合併症全般のリスク低減につながる可能性があります。皮疹が「痛みの帯」として出てきたら、たかが帯状疱疹と放置せず早めに皮膚科・内科を受診することが、脊髄炎や脳炎を含む重篤な中枢神経合併症への備えにもなります。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 皮疹がなくてもVZV脊髄炎は起こりますか?

起こります。無疹性帯状疱疹関連急性脊髄炎の国内報告があり、VZVの神経感染では皮疹を欠く症例が確実に存在します。「帯状疱疹の発疹がないからVZVではない」とは言えません7,12

Q2. MRIで異常がなければ否定できますか?

否定できません。初期MRIが正常でも、髄液所見や体性感覚誘発電位、VZV抗体価指数から診断に至った国内症例があります。画像が正常でも、臨床像が合えば検査を止めないことが重要です7

Q3. PCRが陰性ならVZV脊髄炎ではありませんか?

そうとは限りません。髄液採取の時期が遅くなるとPCR陽性率が下がり、逆に抗VZV抗体のほうが診断に役立ちます。PCR陰性でも抗体価指数が高ければ強く疑います14,15

Q4. 人にうつりますか?

脊髄炎そのものが「うつる」わけではありません。ただしVZVは帯状疱疹患者の水疱液や気道分泌物に含まれ、感受性のある人(水痘未罹患・未ワクチン者)に感染して水痘を起こすことがあります。皮疹が乾燥・痂皮化するまでは、妊婦・新生児・免疫不全者との接触に注意が必要です1,2

Q5. どんなときに救急受診すべきですか?

帯状疱疹のあと、または原因不明の胸背部痛・体幹痛のあとに、急に歩けない・両足に力が入らない・尿が出ない・感覚が鈍い範囲が広がるという症状があれば、できるだけ早く救急受診してください。VZV脊髄炎は早く治療したほうが回復しやすい可能性があります2,17

Q6. ワクチンで完全に防げますか?

完全ではありませんが、帯状疱疹とその合併症のリスクをかなり下げることが期待できます。特に組換えワクチン(シングリックス)は高い予防効果が示されています。ただしVZV脊髄炎単独の予防効果を直接示す長期データは不明です20,21,22

Q7. 再発することはありますか?

まれながら再発例は報告されていますが、一般的ではありません。反復性の帯状疱疹性脊髄炎や、慢性経過をとる無疹性帯状疱疹関連脊髄炎が症例報告レベルで記載されています。再発頻度を示す高品質な集団データは不明です。

まとめ

  • VZV脊髄炎は帯状疱疹のまれな神経合併症だが、下肢麻痺・排尿障害を残しうる重い病態
  • 病態は「直接感染型」と「免疫介在型」があり、皮疹の有無・時期にかかわらず発症しうる
  • 診断の落とし穴は「皮疹がない・MRI正常・PCR陰性」でも否定できないこと
  • 髄液VZV PCRとVZV IgG抗体価指数を両方評価する姿勢が実用的
  • 治療はアシクロビル静注(10mg/kg×3/日)を中心に、ステロイド併用は症例ごとに判断
  • 予防は帯状疱疹ワクチン(2025年度から65歳定期接種)が最も現実的な手段

VZV脊髄炎は「稀で見逃しやすい」からこそ、知っておく価値のあるテーマです。帯状疱疹のあとに足が動かない・尿が出ないといった症状が出たら、迷わず医療機関へ。そして50歳以降の方、とくに基礎疾患のある方は、帯状疱疹ワクチンを前向きに検討することが、この厄介な合併症から身を守る最も実行しやすい一歩になります。

参考文献

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免責事項: 本記事は医学的情報提供を目的とした一般解説であり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状がある場合は必ず医師の診察を受けてください。

画像ライセンス: 図0(本ブログ作成オリジナルインフォグラフィック)、図1(CDC PHIL/Public Domain, via Wikimedia Commons)、図2(Uwe Thormann/CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)、図3(Liu Q et al. BMC Neurology. 2022;22:45/CC BY 4.0, via PMC)。いずれも著作権者のライセンス条件に従い引用。