内科
烏龍茶は「脂っこい食事に合う」「脂肪を燃やす」といった健康的なイメージが強いお茶です。ポリフェノールやカテキン、カフェインなど多くの生理活性物質が含まれていますが、医学的にどこまで効果が実証されているのでしょうか。本記事では、脂肪燃焼、血…
心不全の生活指導で「塩分は1日6g」「水分は1.5Lまで」「体重が2kg増えたら受診」と伝えていませんか。2025年に7年ぶりの全面改訂を受けた心不全診療ガイドラインを読むと、この3つは根拠の重みがまったく違います。数値付きの推奨が新しく付いたのは水分だ…
「お酒とタバコは控えて、無理のない運動を」——心房細動の患者さんに、こう伝えて終わっていないでしょうか。この助言はガイドラインどおりですが、患者さんがいちばん困る場面には答えていません。それは「薬を飲み忘れた翌朝」です。心房細動患者6万4千人…
「転ばないように、足腰を鍛えましょう」——外来でこう言って終わっていないでしょうか。この助言は間違いではありませんが、転倒を減らす条件を満たしていません。108の試験をまとめたコクラン・レビューで転倒率を確実に下げていたのはバランス・機能的運動…
「CPAP、ちゃんと使えていますか」「はい、4時間は超えています」——この2往復で外来が終わっていないでしょうか。CPAP療法でつまずくのは装置そのものではなく、①「4時間」を合格ラインとして扱ってしまう②眠気が取れない原因を圧の設定に求めてしまう③どう…
「水分をこまめにとってくださいね」——夏の外来で、その一言で終わっていませんか。熱中症・脱水の生活指導でつまずくのは、暑さの話そのものではなく、①経口補水液を「予防のために常備して毎日飲むもの」として勧めてしまう②「のどが渇く前に飲みましょう…
エビデンスのある漢方はどれ? ガイドラインが「強く推奨」した処方と「使うな」とされた処方 「漢方って、本当に効くんですか?」外来でとてもよく聞かれる質問です。答えは「漢方による」としか言えません。日本の診療ガイドラインを調べると、ある漢方に…
「お酒はやめられますか」——外来でその一言から入っていませんか。節酒・減酒の外来サポートでつまずくのは、①最初に断酒を迫ってしまう②男性40g・女性20gという数字を「ここまで飲んでよい」量だと誤解させたまま説明する③「今日から一滴もやめます」と言っ…
「両足のむくみですね。弾性ストッキングを試しましょうか」——その前に、外来で確かめておきたいことがあります。両下肢浮腫(両足のむくみ)の外来でつまずくのは、①両側だからと静脈のせいに決めつける ②薬剤性を見ずに利尿薬を足す ③足の脈も心臓も確認せ…
禁煙外来は「意志の強さを試す場所」ではなく、保険で12週間・計5回の枠組みを組み立てる治療です。ところが外来でつまずくのは、たいてい薬の選択ではありません。「やめる気がありますか」と聞いて患者さんを選別してしまうこと、「加熱式たばこに替えたの…
鉄欠乏性貧血は、外来でもっとも多く出会う貧血でありながら、診断がついた後の指導がもっとも定型化されていない領域です。鉄剤を処方したあと、患者さんから必ず聞かれるのは「いつまで飲むのですか」「食事で治せませんか」「お茶で飲んではいけないと聞…
インフルエンザ・新型コロナと診断した後、外来では「いつまで休めばいいですか」「家族にうつさない方法は」「薬は飲まないとだめですか」を必ず聞かれます。この記事では、学校保健安全法施行規則や厚生労働省の急性呼吸器感染症(ARI)Q&Aなど一次資料で…
健診で「脂肪肝ですね」と言われて来院した患者さんに、外来で何を話しているでしょうか。「太っているからです。痩せましょう」——ここで終わってしまうと、患者さんは何キロ減らせばよいのかも、いつまた検査を受けるのかも分からないまま帰ります。そして…
顔の片側が動かない——ベル麻痺をはじめとする末梢性顔面神経麻痺で、急性期の治療方針そのものに迷うことは多くありません。外来で本当に答えにくいのは、そのあとに必ず聞かれる質問です。「リハビリはしたほうがいいですか」「強く動かしたほうが早く治り…
「花粉症くらいで」——そう思われがちなアレルギー性鼻炎ですが、外来で処方する薬の選び方ひとつで、患者さんの運転・仕事・学業のパフォーマンスが変わることは、案外知られていません。本記事は、花粉症・アレルギー性鼻炎の治療薬の一覧や解説ではなく、…
「体重を落としましょう」——肥満症・メタボリックシンドロームの外来で最も多く発せられ、そして最も実行されない指導かもしれません。減量の生活指導がうまくいかないのは、医師の知識が足りないからではなく、限られた診察時間で「何を・どの順番で・どう…
「毎日出ないから便秘だと思う」——外来でよく聞くこの言葉には、実は大きな誤解が含まれています。慢性便秘は排便の「回数」だけで決まるものではなく、便の硬さ・いきみ・残便感まで含めて考える病態です。そして、軽症〜中等症の便秘の多くは、いきなり下…
「足のしびれや感覚の鈍さがあるけれど、痛くはないから大丈夫」——糖尿病性末梢神経障害の患者さんがそう言ったとき、それはむしろいちばん危険なサインかもしれません。神経障害が進むと、痛み・熱さ・圧迫という「警報」が働かなくなる防御知覚の消失(LOP…
「もう何年も、年に何回か吐き気と嘔吐の激しい発作が数日続く。ピークを越えるとケロッと治り、次の発作まではまったく元気」——こうした患者さんが、消化器内科で内視鏡もCTも異常なし、点滴でしのいで帰され、また数か月後に救急外来へ。この経過は、小児…
「胸やけには、脂っこいもの・チョコ・コーヒー・柑橘・香辛料・炭酸——全部やめてください」。逆流性食道炎の患者さんに、こうした一律の食事禁止リストを渡していないでしょうか。しかし、個々の食品を一律に制限することが症状を改善するという介入エビデ…
「検査は全部異常なしでした。心配ないですよ」——そう伝えて診察を終えたあと、患者さんが数週間後に別の医療機関を受診していた、という経験はないでしょうか。動悸・息苦しさ・めまい・しびれ・頭重感。検査で重大な病気が否定されても、症状そのものは消…
離床センサーはマット式から荷重センサー方式の離床CATCH、さらに非接触の眠りSCANへと進化してきましたが、この進化は本当に転倒を減らすエビデンスと言えるのでしょうか。本記事は入院患者の転倒・転落を防ぐ:エビデンスで整理する多職種の実践ポイントで…
糖尿病が長く続くと、下肢の腱は「単に硬くなる」のではなく、糖化(AGEs)によるコラーゲン架橋、微小循環の低下、治癒能の低下、そして神経障害に伴う荷重異常が重なって、しなやかさを失い痛みやすくなります。とくにアキレス腱や足底腱膜では、超音波で…
経鼻胃管(NGT)の挿入後、X線写真での位置確認はスタイレット(ガイドワイヤー)を入れたまま撮影するのが一般的です。一方で「抜去時に先端がずれるかもしれないので、スタイレットを抜いた状態で確認したほうがよい」という声も現場にはあります。結論か…
むくみ(浮腫)を訴える患者を前にしたとき、原因を効率よく絞り込む最初の一手は「分布と左右差を言語化すること」です。両側対称なら心臓・腎臓・肝臓・甲状腺・低栄養・薬剤といった全身性の原因を、片側なら深部静脈血栓症(DVT)・蜂窩織炎・リンパ浮腫…
糖尿病性神経障害は「長く続いた高血糖が神経を傷つける」病気——多くの医療者がそう理解しています。ところが、慢性的に高血糖だった患者の血糖を急激に下げると、数週間以内に激しい足の痛みや立ちくらみ(自律神経障害)が新たに出現することがあります。…
リードレスペースメーカーは、従来のペースメーカーに必須だった「リード(電極線)」と「皮下ポケット」を無くし、カプセル状の本体を心臓の中に直接留置する新世代の植込み型デバイスです。MedtronicのMicra(マイクラ)とAbbottのAveir(アヴェイル)が二…
入院患者の転倒・転落は、医療事故のなかで最も多く報告されるインシデントであり、骨折や頭部外傷、入院長期化、ときに医療訴訟にもつながる重要な医療安全の課題です。一方で「いつ・どこで・誰に起こりやすいか」は数多くの調査で明らかになっており、限…
敗血症性ショックや循環不全に対して「とりあえずカタボン(ドパミン)」と指示していた時代は終わりました。昇圧薬の第一選択は2010年代以降ノルアドレナリンに統一され、Surviving Sepsis Campaign 2021、日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG 2024)…
2026年に入ってから日本国内の麻疹(はしか)報告数が急増し、国立健康危機管理研究機構(JIHS)の2026年第14週時点で累計236例(前年同期比3.8倍)、第16週時点で362例に達した。2009年以降で最大級の流行ペースであり、米国でも5月7日時点で1,842例と39州…