てんかん
2026年8月も脳神経内科・神経科学領域では臨床現場に直結する重要な論文が多数発表されました。AQP4抗体陽性NMOSDに対する新規抗CD20抗体の第III相試験から、BAD脳梗塞における抗血小板薬強化のRCT、実臨床で頭を悩ませる「てんかん×DOAC」併用時の抗発作薬…
抗てんかん薬(抗発作薬:ASM)の等価換算について、「カルバマゼピン(CBZ)やレベチラセタム(LEV)を中心に、クロルプロマジン換算やレボドパ換算のような一元的な換算表は作れないのか?」と疑問を持つ医療従事者は少なくありません。数多くの単剤非劣性…
複数の抗てんかん薬を入れても断続的な発作が止まらない高齢者を前に、ミダゾラム・プロポフォール・チオペンタールを持続静注し、気管挿管して鎮静まで踏み切るか——この判断に確信を持てる医師は多くありません。発作が止まっても長期臥床による廃用で社会…
頭をぶつける、脳の血管が詰まる・破れる、髄膜炎や脳炎にかかる──こうした後天性脳損傷(acquired brain injury:ABI)のあとに、てんかんはどれくらい起こるのでしょうか。2026年に Epilepsy Research 誌へ報告された 120研究・大規模メタ解析は、外傷・出…
「ChatGPTに症状を入れたら、てんかんを診断してくれるのでは?」——患者さんからも、医療者からも、そんな声を聞くようになりました。生成AI・大規模言語モデル(LLM)は、てんかん診療のどこで使えて、どこで危険なのでしょうか。本記事は、てんかん×AIシリ…
目の前で家族が突然倒れ、手足をつっぱらせてけいれんし始めたら——多くの人は何もできずに立ちすくんでしまいます。けれども、てんかんや熱性けいれんのある人にとって、発作への備えは「特別なこと」ではありません。そして2025年、その備えに新しい選択肢…
2026年前半のてんかん領域は、歴史的な転換点になる可能性があります。Dravet症候群に対する初の疾患修飾療法(DMT)候補 zorevunersenがNEJMに掲載され1、Kv7チャネル開口薬 azetukalnerの第3相(X-TOLE2)はプラセボ調整後42.7%というezogabine以来最も強…
脳挫傷・急性硬膜下血腫・皮質下出血が将来の外傷後てんかん(PTE)の危険因子であることは、医療者のあいだで広く知られています。では、頭蓋骨と硬膜のあいだに出血する急性硬膜外血腫(EDH)はどうでしょうか。「脳の表面(皮質)に触れない出血なら、て…
高齢のご家族が、会話の途中で急にぼーっとして反応が止まり、口をもぐもぐ動かし、後でその間のことを覚えていない――そんな様子を「認知症が始まったのかな」と感じていませんか。実はそれは、認知症ではなく「てんかん」の発作かもしれません。てんかんは…
脳神経内科医が答える からだの不思議 #16 けいれんを目撃したときの正しい対応 ― やってはいけないことと、救急車を呼ぶ判断 この記事の内容は動画でも解説しています ▶ YouTube動画で詳しく解説しています 街中や職場で、突然目の前の人がバタッと倒れ、…
「お風呂に入ると決まって意識がなくなる」「入浴中にけいれんを起こして倒れた」——こうした症状を繰り返す場合、それは単なる立ちくらみやヒートショックではなく、「入浴てんかん」という特殊なてんかんかもしれません。 入浴てんかんは、入浴という特定の…
レベチラセタム(イーケプラ)は使いやすく有効性の高い抗発作薬ですが、実臨床では易刺激性、焦燥、興奮、攻撃性、抑うつなどの精神・行動面の副作用がしばしば問題になります。日本でも添付文書上、易刺激性、錯乱、焦燥、興奮、攻撃性などの精神症状や自…
若年ミオクロニーてんかん(JME)― 見逃されやすい思春期てんかんの診断と最新治療戦略 youtu.be 若年ミオクロニーてんかん(Juvenile Myoclonic Epilepsy: JME)は、全てんかんの5〜10%を占め、特発性全般てんかん(GGE)の中で最も頻度が高い症候群です1,2…
認知症の進行を早めるのか、治療標的になりうるのか この記事の図版はすべて、この依頼のために新規作成したオリジナルです。外部画像は使っていません。 アルツハイマー病(AD)の治療といえば、これまで主役はアミロイドβやタウでした。もちろんそれは今も…
外傷・術後の抗てんかん薬:いつ始めて、いつ止めるか この記事では、エグゼクティブ・サマリー・目的と対象読者・定義と臨床的枠組みについて解説します。 youtu.be 目次 エグゼクティブ・サマリー 目的と対象読者 定義と臨床的枠組み 主要ガイドラインの…
急性期病院から回復期リハビリ・療養型病院への転院時における抗てんかん薬切替の総合分析 youtu.be 目次 エグゼクティブサマリー 背景と国内エビデンス 制度・ガイドライン・法的枠組みと優先度 包括評価が「高価薬を継続できない」を生むメカニズム 抗て…
てんかんに対するVNS・DBS・RNS治療を「機序」と「エビデンス」から解説 この記事では、エグゼクティブサマリー・理解のための前提:DREと主要概念・作用機序の全体像について解説します。 youtu.be 目次 エグゼクティブサマリー 理解のための前提:DREと主…
てんかんにおける食事療法の実際 ― ケトン食・修正アトキンス食・低GI食の位置づけ ― この記事では、はじめに・古典的ケトン食(Ketogenic Diet)・基本構造について解説します。 youtu.be 目次 はじめに 1. 古典的ケトン食(Ketogenic Diet) 2. 修正アト…
少し前のフリーアクセスのてんかんの治療薬、デバイスの現状のEpilepsiaの総説記事を日本語で読みやすくしました。 てんかん治療薬・デバイスパイプラインの現状(2023年最新レビュー) てんかん治療薬・デバイスパイプラインの現状(2023年最新レビュー) T…
コメント 患者用説明ページ、Youtubeの第2弾は「てんかん発作をみたらどうする?」です。 てんかん発作を見たらどうする? ― 専門医が教える「正しい対応」と「やってはいけないこと」 ― てんかん発作をみたらスライド youtu.be 目次 1. 突然けいれんしてい…
焦点性てんかん重積状態の急性期から亜急性期におけるMRI所見 ― DWIとASLを中心に この記事では、エグゼクティブサマリー・研究目的と臨床的背景・てんかん重積状態の定義について解説します。 youtu.be てんかん重積MRI_DWI_ASL 目次 エグゼクティブサマ…
一過性全健忘(Transient Global Amnesia, TGA)とは 一過性全健忘(いっかせいぜんけんぼう、Transient Global Amnesia, TGA)とは、突然生じて一時的に記憶が保てなくなる発作性の症候群です。典型的には新しい出来事を覚えられなくなる前向性健忘が数時間…
作者コメント 成人の難治てんかんでの食事療法である修正アトキンス食を紹介します。 成人の難治てんかんでの食事療法である修正アトキンス食を紹介します。 youtu.be てんかんへの修正アトキンス食スライド 目次 はじめに:難治性てんかんへの新たなアプロ…
運転免許証の「○トン限定」と運転できるトラックの違い【2026年最新情報】 この記事では、はじめに・「○トン限定」は何を意味する? ~車両総重量と最大積載量の違い~・各運転免許区分と運転できる車両範囲について解説します。 youtu.be 運転免許限定スラ…
—「治療すべき発作」か「観察すべき脳波異常」かを、根拠と手順で決める— 目次 1. はじめに:IICは「診断名」ではなく「治療強度を迷う帯域」 2. まず押さえる定義:IIC・発作・ステータスの境界 3. IICが出た瞬間にやるべき「5つの確認」 4. 発作リスクの…
一過性の意識消失、けいれん運動、異常感覚・行動異常を主訴とする発作性疾患の診療において、真の「てんかん発作(Epileptic Seizures)」と「非てんかん性発作(Non-Epileptic Events)」の鑑別は最も重要かつ難度の高い臨床判断です。心原性・神経調節性…
作者コメント 漢字を急に読めなくなったという側頭葉底面言語野の脳梗塞を経験しました。以前、研究に関わっており、引用文献の一部にも私の名前が入っています。背景知識があったので、リハビリの頑張り次第でかなり良くなる可能性が高いので、頑張りましょ…
作者コメント BAFMEは振戦の鑑別で重要ですが、この10年でかなり病態がはっきりしてきましたね。遺伝子治療ができるようになる日も近そうです。 youtu.be BAFME_スライド 目次 疾患概要(定義・疫学・発症年齢・自然経過) 臨床症状 電気生理学的特徴(脳波…
作者コメント 妊娠するとLTGもLEVも濃度が下がって発作が起きる人が少なからずいます。LTGがすでに最大量にもかかわらず、濃度が3分の1以下になって発作が起きた症例を経験しました。その際に知識整理したので共有します。 妊娠でだけ発作が出るLTG症例:血…
カルバマゼピンの薬物相互作用:機序・臨床意義と対策 CBZ相互作用.pptx - Google スライド youtu.be 目次 はじめに カルバマゼピンの薬物動態と相互作用の基盤 抗てんかん薬との相互作用 抗菌薬との相互作用 抗血栓薬との相互作用 免疫調整薬との相互作用 …